ピアノは1709年にイタリアのハープシコード製作者バルトロメオ・クリストフォリ(Bartolomeo Cristfori) によって発明され、彼は「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」と命名しました。 「ピアノ・エ・フォルテ」、これはもちろん弱音と強音をあらわし、この楽器の特質を命名したものでした。 この楽器が発明される以前の楽器では表現しにくかった「音の強弱」がタッチによって可能になる機能、すなわちハンマーアクションを備えた楽器が考案されたわけです。 その後各国で改良が進められ、種々の製作方法による様々なスタイルのピアノが見られるようになりました。 この当時のピアノはハンマーフリューゲルともよばれ、音域は5オクターブから5オクターブ半であり、 ハイドン、モーツアルトはその音域の中で音楽を創り出しました。 19世紀にはいり、ピアノ音楽の発達につれ音域・音量の拡大や確実に連打できる高性能なアクションなどが強く求められるようになってくると、鋼鉄弦や鉄骨のフレームが出現し、アクションも画期的な改良がなされ、音域も7オクターブに拡がりました。 ベートーヴェン、シューベルト、メンデルスゾーン、ショパン、シューマン、リストなどは、この恩恵を受けています。 また、アップライトピアノも現在のアクションとほぼ同じ型のものが考案され、実用性が認められるようになり、一般家庭へ普及していきました。
1850年以降も、なお熟達したリスト、そしてブラームス、サンサーンス等々の音楽家を満足させるべく 改良が進められました。 低音2重巻線、ソステヌートペダル、アリコート、音域の拡大(7 1/4オクターブ、88鍵)等々、 改良は数限りなく、弦もしだいに強く張られ、ハンマーもより弾力性のあるフェルトが用いられるようになり張りのある豊かな音を持つ現在のピアノの形ができあがりました。 そうした中、日本においては、1900年(明治33年)にヤマハ(日本楽器)が国産第1号となるピアノをつくり、 1927年(昭和2年)には河合小市により「河合楽器研究所」が設立されました。 さらに近年では、電子技術を駆使した消音ピアノや自動演奏ピアノ、ボディがアクリル製のクリスタルピアノなども登場し、ピアノの活躍の場はさらに拡がっています。